六兵衛窯

六兵衛窯

京都五条にある「六兵衛窯」。
その始まりは江戸の後期1771年。初代六兵衛が五条坂に開窯をしたのが始まりです。
京都の五条と言えば多くの清水焼の窯元や陶器店が軒を連ねていますが、
こちらの六衛兵窯も京焼の本流として約230年続く老舗の窯元。
大きな工房にギャラリーが併設されており、代々の六兵衛作品を見ることもできます。
現在の六衛兵さんは8代目。世襲制となっており、戸籍からお名前を変えられるということです。

八代目・六兵衛さんに会う

六兵衛窯さんの作品を知ったのは、京都にある私が大好きなお店でした。
雑貨屋というよりもギャラリーに近い雰囲気のとてもモダンなそのお店に、
なんとも愛らしい仔犬をモチーフにしたお皿があり、それが六兵衛窯さんの「狗児シリーズ」でした。
六兵衛窯さんをお調べすると清水焼の老舗として230年以上続いている窯元。
やはり大変お忙しい方で、お時間をいただくのに2か月ほどかかりました。
初めてお伺いした際、最初に着いた時の印象は「大きい!」でした。
京都の五条は清水焼の窯元が軒を連ねておりますが、六兵衛窯さんの窯元はとても大きく立派な建物でした。
併設されているギャラリーには代々の六兵衛さんの作品が飾られており、
そして現在、八代目を継承されている清水六兵衛さんにお会いすることができました。
八代目・六兵衛さんはとても穏やかな方で丁寧にお話しをしてくださいました。
わたしが「狗児シリーズ」が気になっていてとお話しをすると、
これは明治中期頃に活躍した京都出身の画家「神坂雪佳」という人の作品をモチーフにデザインしていると教えてくださり、
さらに「原画がありますが、見ますか?」と言われ、見せてくださいました。
正直、もともとの絵よりも六兵衛さんがデザインをされたお皿の方がとても可愛らしいなと思ってしまい、
そのようにお話しすると「確かにちょっと怖い顔ですよね 笑」とおっしゃておりました。
それから八代目六兵衛さんの作品なども見せてくださり、また作風が全然違い幾何学的なオブジェのようなモダンな作品。
お聞きすると大学では建築を学ばれていたとのことでした。
さらに六兵衛さんは世襲制で、名前も戸籍から変えられるとのことでとてもビックリしてしまいました。
代々の六兵衛さんはそれぞれ違う作風でありながら、その時々のライフスタイルに合わせた作品を作られ、
こうして変化をしながら受け継がれてゆくのだろうなと、230年と言う歴史を感じました。