大井寛史

大井寛史

大阪出身で、現在は京都の自宅で作陶活動をされている大井寛史さん。
大学卒業後、都内で働きながら自宅近くの陶芸教室に通っていたところ、
その教室の先生に「京都には陶芸の職業訓練校があるらしいよ」と聞き、
32歳で京都府立陶工高等技術専門校へ。
日々の生活になじむシンプルなデザインと使いやすさで、ひとつひとつ揃えたくなる器を作られています。

大井さんのご自宅へご訪問

シンプルで、毎日使いたくなる器を探していたところ、大井寛史さんの「パールシリーズ」の器を知りました。
アンティークのような風合いに心魅かれ、ずっと飽きずに使える器だなと思いました。
ご連絡をしたところ、会っていただけるとのこと。
お約束の時間の前に、ちょっと遠方へのアポが入ってしまい、
前日にお約束の時間よりも遅れるかもしれませんとご連絡したところ、
「全然大丈夫ですよ」とお返事をいただき、ホッとしました。
でも当日、前のアポが意外と早く終わったので、当初予定した時間に大井さんのご自宅へ。
「ピンポーン」
奥様が出迎えてくださり「あれ?お時間遅れるって・・・」
しまったー!!
営業の基本で、アポの5分後に行くぐらいがマナーだということを忘れておりました(汗)
慌てさせてしまって申し訳なかったなーと反省してお待ちしていると、大井さんがすぐに来てくださいました。
お会いした大井さんは、とても気さくな方でした。
陶芸を始めた経緯もちょっと変わっていらして、大学から東京へ行き、みなさんご存じの大手ショップでお仕事をしながら、
ご近所の陶芸教室に通っていらしたそうです。
その時に、陶芸教室の先生に「京都には陶芸の職業訓練校があるんだよ」と聞いて、一念発起して32歳で京都へ。
その職業訓練校は、他にもご出身の陶芸家の方がいらしたので、いろいろとお話を伺うと、
とても厳しいカリキュラムで、途中で挫折をしてしまう人も多いと聞いたりもします。
そんな中、まさに「背水の陣」という感じで2年間みっちりと学んだと、大井さんはおっしゃっていました。
わたしが気になっていた「パールシリーズ」は、琺瑯のように見えるけれど半磁器でできている器。
「これを作り始めた時も、色んな人に持ってもらって、
『安定感がない』とか『底が厚すぎて、持った時に中身の熱さが分からないから、舌をヤケドした』とか、
何回も作り直して、この持ち手とサイズになったんです」とお話ししてくださいました。
デザインのかわいさだけに目を奪われていた私が恥ずかしくなりました。
ひとつの器ができるまでに、そんなにたくさんの工夫がされているのだと知りました。
ご自宅の中に工房もあり「毎年毎年、少しずつ依頼も増えてきて今ではなんとか陶芸一本でやっていけています」と、
とても素敵な笑顔でお話ししてくだる大井さんの隣には、ニコニコした奥様とかわいい息子さんがいらっしゃいました。

大井寛史

大井先生!

実は、私たちは大井さんのことを「大井先生」と呼んでいます。
理由は大井さんの器のファンのお客さんがとても多く、みなさま少しづつ買い揃えられていて、
そんな魅力的な器を作られているので、リスペクトして「大井先生」と呼んでおります。
先日も「うっかり落として割っちゃったの」というお客様が、同じく大井さんのマグカップを買っていかれました。
同じカップを買いたいと思われるとは、よっぽど気に入って下さっているのだなーと、わたしまでとても嬉しくなってしまいました。
大井さんがこだわっていらっしゃった、持ちやすさや使いやすさがお客様にきちんと伝わっているのだと思います。
その大井先生は、わざわざ「とおりにわ」にも足を運んでくださいました。
表参道で個展をされていたそうで、ご来店をしてくださいました。
こんな小さなお店にまで来て下さり、素敵な作品を作る人はやっぱりステキだなと思いました。
写真は、ご来店いただいた時の1枚。ご来店くださった時もとても嬉しかったです。

大井先生